研究用試薬

ヒトACE2蛋白, SARS-CoV-2スパイク蛋白, ビオチン化SARS-CoV-2スパイク蛋白

SARS-CoV-2関係

バックグラウンド

アンジオテンシン変換酵素2( Angiotensin-converting enzyme 2、ACE2)はACE ホモログとも呼ばれ、ACE とかなり相同性のある内在性膜タンパク質です。ACE2 は血圧調節に関与するレニン・アンジオテンシン系で働く因子の一つとして知られていましたが、最近になり、COVID-19 の原因である新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染する際、細胞膜に存在するACE2 に結合してから細胞内に取り込まれることが明らかとなり、ACE2 は新型コロナウイルスの受容体でもあると考えられています。(1)
ヒトACE2 蛋白・His タグ (HAK-ACE2_UL-1) を96穴プレートに固相し、ウイルス蛋白の受容体結合ドメインをウサギFc と結合させた融合蛋白であるSARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ(HAK-SPD_UL-1)またはビオチン化SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ(HAK-SPD_bio-1)を加え、HRP 標識した2 次抗体やストレプトアビジンで検出させることで、高感度なバインディング・アッセイを提供します。

SARS-CoV-2 スパイク蛋白とACE2 との結合実験プロトコール

詳細なバインディング・アッセイおよび競合法による結合阻害物質スクリーニングのプロトコールを提供しております。
こちらから、PDFをダウンロードしてご覧いただけます。

ヒトACE2蛋白・Hisタグ(100µg)

(Angiotensin-converting enzyme 2(ACE2)protein、His tag, HAK-ACE2_UL-1)

製品情報

1.タンパク質構造
 ヒトACE2 蛋白・His タグ (HAK-ACE2_UL-1) は、ヒト・アンジオテンシン変換酵素2 の細胞外領域に相当するSer19-Pro738 のC 末端にポリヒスチジンタグを付けてHEK293 細胞で発現させ、Ni カラムを用いて精製したものが含まれています。
2.純度
 >95%(SDS-PAGE)
3.組成
 ヒトACE2 蛋白・His タグ 1mg/mL、0.1MPBS(pH7.2~7.4)
4.保存
 凍結融解の繰り返しは避けてください。
 製品は受領時に-70°C 以下で保管して下さい。使用時に小分け分注を推奨します。
5.SDS-PAGE
 本製品430ng を4~20%グラジエント・ゲルで電気泳動し、CBB 染色した。(図1)

図1 SDS-PAGE


使用例

1.バインディング・アッセイ
 固相化した0.156-10μg/mL のヒトACE2蛋白・His タグ(100μL/ウェル)に0.8μg/mLのビオチン化SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグを結合させ、HRP 標識ストレプトアビジンで検出した。
 この際の検量線において、線形範囲(リニアレンジ)は0.156-1.25μg/mL であった。(図2)

2.競合法による結合阻害物質スクリーニング
 固相化した1μg/mL のヒトACE2 蛋白・His タグ(100μL/ウェル)と600ng/mL のビオチン化SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグの結合反応に10-5000ng/mLの結合阻害物質(SARS-CoV-スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ)を添加し、HRP 標識ストレプトアビジンで検出した。
 この際の50%阻害濃度(IC50)は140ng/mL(2.7nM)であった。(図3)

図2 バインディング・アッセイ



図3 競合法によるインヒビション・アッセイ

SARS-CoV-2スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ (100μg)

(SARS-CoV-2 Spike glycoprotein Receptor-binding domain、Rabbit IgG1 Fc tag, HAK-SPD_UL-1)

製品情報

1.タンパク質構造  SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFcタグ(HAK-SPD_UL-1) は、SARS-CoV-2Spike glycoprotein Receptor-bindingdomain のArg319-Phe541のC 末端にウサギIgG1 Fc タグ及びHisタグを付けてHEK293 細胞で発現させ、プロテインA カラム を用いて精製したものが含まれています。
2.純度
 >95%(SDS-PAGE)
3.組成
 SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ 1mg/mL, 0.1M-PBS(pH7.2~7.4)
4.保存
 凍結融解の繰り返しは避けてください。
 製品は受領時に-70°C 以下で保管して下さい。使用時に小分け分注を推奨します。
5.SDS-PAGE
 本製品500ng を4~20%グラジエント・ゲルで電気泳動し、CBB 染色した。(図4)

図4 SDS-PAGE

使用例

1.バインディング・アッセイ
 固相化した1μg/mL のヒトACE2 蛋白・His タグ(100μL/ ウェル) に0.293-1200
ng/mL のSARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグを結合させ、HRP 標識
ウサギIgG 抗体で検出した。この際の検量線において、線形範囲(リニアレンジ)
は0.293-18.8ng/mL であった。(図5)

図5 バインディング・アッセイ

ビオチン化SARS-CoV-2スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ (20μg)

(Biotin labeled SARS-CoV-2 Spike glycoprotein Receptor-binding domain、Rabbit IgG1 Fc tag, HAK-SPD_Bio-1)

製品情報

1.タンパク質構造
 ビオチン化SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ(HAK-SPD_bio-1)は、SARS-CoV-2 Spike glycoproteinReceptor-binding domain のArg319-Phe541のC 末端にウサギIgG1 Fcタグ及びHisタグを付けてHEK293 細胞で発現させ、プロテインA カラムを用いて精製し、ビオチン化したものが含まれています。
2.純度
 >95%(SDS-PAGE)
3.組成
 SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ 1mg/mL, 0.1M-PBS(pH7.2~7.4)
4.保存
 凍結融解の繰り返しは避けてください。
 製品は受領時に-70°C 以下で保管して下さい。使用時に小分け分注を推奨します。
5.SDS-PAGE
 ビオチン化前の本製品500ng を4~20%グラジエント・ゲルで電気泳動し、CBB 染色した。(図6)

図6 SDS-PAGE

使用例

1.バインディング・アッセイ
 固相化した1μg/mL のヒトACE2 蛋白(100μL/ウェル)に29-21000ng/mL のビオチン化SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグを結合させ、HRP 標識ストレプトアビジンで検出した。この際の検量線において、線形範囲( リニアレンジ) は29-798ng/mL であった。(図7)

図7 バインディング・アッセイ

参考文献

(1)Alexandra C. Walls, Young-JunPark, et al., Cell 180, 1-12 (2020)

希望小売価格

品名 品番 包装 貯法 希望小売価格(税別)
ヒトACE2 蛋白・His タグ(100µg)
Human ACE2, His Tag (100µg) データシート
HAK-ACE2_UL-1 100µg -70℃以下 ¥80,000
SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ (100μg)
SARS-CoV-2 Spike glycoprotein Receptorbinding
domain, Rabbit IgG1 Fc Tag (100μg) データシート
HAK-SPD_UL-1 100µg -70℃以下 ¥80,000
ビオチン化SARS-CoV-2 スパイク蛋白RBD・ウサギFc タグ (20μg)
Biotin labeled SARS-CoV-2 Spike glycoprotein Receptor-binding domain, Rabbit IgG1 Fc Tag (20μg)
データシート
HAK-SPD_bio-1 20µg -70℃以下 ¥20,000



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