受託研究サービス

エクソソーム検出法の
研究サポート

研究サポート

エクソソーム表面に存在するバイオマーカーに対する抗体を作製。
独自のスクリーニング法により、エクソソーム上の抗原に対する高親和性抗体を取得し、高性能な抗テトラスパニン抗体との組み合わせによるELISAを構築します。

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①組換え蛋白の作製

ベクターの構築から動物細胞での発現、精製

免疫用の抗原蛋白の調製

その他の蛋白の調製

②抗体作製

エクソソーム以外でも、あらゆる抗原に対するモノクローナル抗体の作製を承ります。

難易度が高いとされている膜外に露出した部分が少ない膜タンパク質(例えば、GPCR)についてもエクソソームを利用することで、膜タンパク質に結合するモノクローナル抗体を的確に作製することが出来ます。

その他の蛋白の調製

③ELISA構築

細胞から分泌するエクソソームは、生体内細胞間コミュニケーションや疾患診断、薬物送達におけるキャリアーとして注目されています。

受託研究サービスのご注文は直販、またはコスモ・バイオ株式会社を通じての受託の2種類がございます。

エクソソーム定量解析受託サービス

超遠心法やゲル濾過など様々な方法により調製されたエクソソームサンプルに含まれている細胞外小胞の大きさや個数をナノ粒子解析装置であるNanoSightを用いて計測します。
あわせて、ハカレル社製のエクソソーム定量用ELISAキットを用いてサンプル中のエクソソームを定量することも可能です。

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①NanoSightによる粒子数・粒度分布計測

NanoSightでサンプル中の粒子にレーザーを照射し、そのブラウン運動をリアルタイムに観察することにより、粒子径と個数の分布が確認できます。

NTAシステムによるエクソソームの分析結果例

膜タンパク質に対する抗体産生細胞のスクリーニング例
膜タンパク質に対する抗体産生細胞のスクリーニング例

*納品物:粒子径の平均値と中央値、1mLあたりの粒子数、および粒子の分布図

②ELISA測定

サンプル中のエクソソームをヒト由来エクソソーム定量用CD9/CD9、CD63/CD63、CD81/CD81 ELISAキット(ハカレル社製)で定量します。

膜タンパク質に対する抗体産生細胞のスクリーニング例
膜タンパク質に対する抗体産生細胞のスクリーニング例

*サンプル量:細胞培養上清は全キット共通で100μL、血清・血漿はお問い合わせください。

受託研究サービスのご注文は直販、またはコスモ・バイオ株式会社を通じての受託の2種類がございます。

次世代プロテオミクス
解析受託

解析受託

サーモフィッシャー社の最新鋭MS機Q-Exactive HF-X(右写真)によるDIAプロテオーム解析を行い、エクソソーム蛋白について発現量の多いものから数千種類までを網羅的解析します。ご予算に合わせて3コースを用意しています。
必要エクソソームは5μg。エクソソーム調製からも承ります。
料金など詳しくはお問い合わせ下さい。
下記MOREボタンからよくある質問もご確認ください。

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よくある質問

FAQ

(DIAプロテオーム解析について)

※タブをクリックすると内容が切り替わります。

全般

サンプル

発注

データ解析

DIA解析法とiTRAQ法の詳細な技術的な違いは何ですか。

【iTRAQ法】
iTRAQ試薬はタンパク質消化後のペプチド断片の第一級アミンに対してラベル化を行います。ラベルは最大8種類の異なるサンプルに対して行うことができ、ラベル化されたそれぞれのサンプルを1つに混ぜてLC-MS/MS測定を行います。iTRAQ ラベル化ペプチドはMS/MS測定によってペプチドの同定と同時にiTRAQのレポーターイオンによってそれぞれのサンプルに含まれる同定されたペプチドの存在比が分かり、そこからタンパク質の存在比を算出することを行っています。利点は比較対象サンプルを混合してLC-MS/MS測定を行いますので、LC-MS/MS測定の再現性を問わないことです。比較定量プロテオーム解析ではポピュラーな方法で現行の方法の中では優れた方法であることは間違いないです。欠点はiTRAQ試薬自体の価格が高いためiTRAQ試薬を用いたプロテオーム解析受託は値段が高くなってしまうこと、比較サンプル数に限りがあり、iTRAQ試薬で8サンプルまで、類似試薬のTMT試薬で10サンプルまでとなっていることです。さらに定量に用いるレポーターイオンが検出される低分子領域にはレポーターイオンの他に夾雑ピークが観測される可能性が高く、レポーターイオンとその夾雑ピークが重なってしまう場合があります。また、同定されたペプチドと溶出時間ならびに分子量が類似するペプチドが存在すると同一MS/MS測定内に混在してしまうことがあり、同定されたペプチドのレポーターイオン強度には混在したペプチド由来のレポーターイオンが足された値が出てしまう場合もあります。存在量の多いタンパク質・ペプチドにおいてはこれらの現象の影響は少ないですが、微量なタンパク質・ペプチドにおいては定量値に大きな影響を与えることがあり、正確なタンパク質・ペプチドの比較定量値が得られないことがあります。近年これらの問題を解決するためにMS3を用いた方法が開発されており、iTRAQやTMTを用いている第一線のプロテオミクスラボではこの手法に切り替えていますが、私たちが知る限りこの手法に対応している受託会社はありません。

【DIA解析法】
私たちの受託サービスのDIAプロテオーム解析はiTRAQなどを用いないラベルフリープロテオーム解析の一種です。一般的なラベルフリープロテオーム解析ではペプチドのMSのピーク強度からタンパク質の存在量を算出することを行いますが、溶出時間と分子量が類似するペプチドが存在するとピークの取り間違いを起こし、間違った定量値を算出してしまうことがあります。DIAプロテオーム解析の場合は実際にペプチドの同定に用いたペプチドのMS/MSピークからタンパク質の存在量を算出することを行いますので確実に同定されたペプチドの定量が行うことでき、そこからタンパク質の存在量を算出することができます。iTRAQのように定量に低分子のレポーターイオンを用いないので、夾雑ピークの影響はほとんどなく、他のペプチドが混在したペプチドの定量値が観測されることもありませんので、iTRAQ法よりDIAプロテオーム解析法の方が定量性は高くなります。また、ラベルを行いませんので比較サンプル数に制限はありません。DIAプロテオーム解析を含めたラベルフリープロテオーム解析の欠点はiTRAQ法のように1回のLC-MS/MS分析で比較定量解析を行うことはできず、サンプルの数だけ測定を行う必要があるためスループットが低いことです。また、比較定量解析を行うためには測定間の再現性の高さが求められます。その点に関しては本受託ではプロテオーム解析の経験が豊富な研究員がLC-MSの管理・運用をしており、再現性の高い分析系を構築しています。

MS-1、-2、-3の違いは、発現量の観点からの検出感度以外に、何かありますか。
MS-1でも検出可能な発現量のタンパクに関しては、定量精度は変わらないでしょうか。

簡易・標準・高深度解析の違いは基本的には検出感度の違いとなっており、簡易・標準・高深度解析の順で観測されるタンパク質が増加します。また、簡易DIAプロテオーム解析でも検出可能な発現量のタンパク質においても標準、高深度解析と分析深度が高い方が定量精度はよくなります。分析深度が高くなると1つのタンパク質について定量値を算出するペプチドの数が増えますので、その分定量精度が良くなってきます。

ハカレル社受託サービスの次世代型解析の特徴は、高感度にタンパク質を同定できることでしょうか。
そうであれば、5μgのタンパク量が必要とありますが、より少量(1μg程度)のタンパク量でも、
通常の解析ができると考えて宜しいでしょうか。

DIAプロテオミクスの最大の特徴はサンプル間の定量比較ができるところにあります。また、ご指摘のように高感度であるので多くのタンパク質を解析することができることも大きな特徴です。エクソソームサンプルにおいて、精製純度の高いエクソソームが5μgあれば最低2000種類のタンパク質を解析できますが、タンパク量が少なくなると解析できる種類が減り、1μg程度の蛋白量では数百種類の蛋白しか解析できないことがあります。新規バイオマーカーの多くは発現量の低いタンパク質ですので、十分量を解析にかけて、稀少タンパク質の定量解析から新たなバイオマーカーを見出すことでDIAプロテオミクスの特徴を活かせるものと考えております。

サンプルの必要量と、最低限どれくらいの濃度が必要でしょうか。

サンプル量に関しては分析メニューに応じて以下の通りになります。
- (簡易)DIAプロテオーム解析の場合:必要最低限のタンパク量 5μg
- 高深度DIAプロテオーム解析の場合:必要最低限のタンパク量 10μg
必要最低限のサンプル量とは本受託でベストな解析を行うための量で、それよりサンプル量が少なくても分析を引き受けます。だたし、サンプル量が少ないほど観測できるタンパク数は減少してしまいます。
タンパク濃度に関しては100ng/μL以上であることが望ましいです。これ以下の場合はサンプルチューブへの吸着等でタンパク質を大きく損失する可能性があり、プロテオーム解析の結果にも影響が出る可能性があります。

超遠心法でエクソソームを分離した場合血清中の蛋白の影響はないのでしょうか。

血清中のエクソソームでも分析可能です。超遠心で落とすだけでは血清中の夾雑蛋白がかなり混入してくるので、それらを除く工夫が必要になります。当社では、ご提供いただいた血清サンプルからスクロース・クッション超遠心法でエクソソームを調製し、プロテオミクス解析まで行います。

例えばヒト細胞の培養上清サンプルを解析する場合、FBS が入っているとプロテオーム解析は困難なのでしょうか。質量分析でエクソソーム中のヒトとウシ由来のタンパクは区別できるのではないかという疑問です。

ヒトとウシのタンパク質データベースを用いて同定解析することで、ヒトとウシ由来のタンパク質を区別することは可能ですが、ターゲットではないタンパク質の存在は詳細な分析の妨げになる可能性がありますので、培養条件としてFBSが不可欠である場合はエクソソームを除去したFBSを利用されることをお薦めします。

無血清培地 AIM V™ Medium (Thermo Fisher社)で培養しています。この培地には蛋白が含まれますが、測定は可能でしょうか。

血清アルブミンのような大量の夾雑タンパクでない限り測定は可能です。超遠心で落としたエクソソームを一度PBSでしっかりボルテックスで洗浄し、再度超遠心で落とすことにより培地由来のタンパクはかなり除去できます。

カニクイザル(cynomolgus monkey)の初代培養細胞から精製したエクソソームのプロテオミクス解析は可能でしょうか。

カニクイザルのタンパク質データベースがありましたので解析は可能です。

エッペンドルフ社のセーフロックチューブ(1.5mL)の使用を強く推奨するのは、このチューブにはエクソソームが吸着しにくいからでしょうか。

エクソソームの吸着よりもチューブの汚れが問題になります。チューブの種類によってはLC-MSで汚れが検出されてしまうケースがあるため、汚れの少ないことが分かっているセーフロックチューブを推奨しています。

エクソソームを抽出するに当たり、血清を冷凍保存することは特に影響ないでしょうか。

血清は冷凍保存で大丈夫です。できればマイナス80℃が望ましいです。

細胞培養液を依頼する予定ですが、100mlを超遠心するのに当施設の設備では時間がかかります。試料の保存・輸送は冷蔵より凍結が推奨でしょうか? また、凍結の場合、蒸留水中保存で何回まで凍結融解は可能でしょうか。

培養液、精製エクソソーム、いずれのサンプルをご出検いただく際でも、凍結せず冷蔵で保存・輸送するようお願いいたします。特に精製エクソソームの凍結保存は避けて下さい。

通常、PBSでエクソソームを超遠心法で抽出しています。LC-MSグレード蒸留水で試料の調製ということですが、PBSの場合と比較して、操作や試料の保存に留意すべきことはありますでしょうか?

操作につきましてはPBSの場合と同様にして頂いて問題ありません。保存についてはエッペンドルフ社のセーフロックチューブ(1.5mL)の使用を強く推奨しております。また、PBSで調製されたサンプルであっても、サンプルクリーナップ処理を同時にご指定いただけば、普段お使いのチューブでも蒸留水と同レベルの結果をお出しできます。

クリナップ処理とは具体的にはLC-MSグレードの蒸留水で透析処理されるのでしょうか。

クリナップ処理は有機溶媒沈殿、TCA沈殿法、HILIC系ビーズを用いた方法などを使用しています。どの方法を選択するかはサンプルの溶液の種類、液量、濃度によって決めています。透析は損失が大きく、サンプルも濃縮できないので使用していません。

エクソソーム・サンプルは通常PBSに懸濁して調製しますが、プロテオミクス解析に供する場合、オプションとして設定されているサンプルのクリーナップ処理も依頼が必要となりますでしょうか。

基本的には溶液サンプルはクリナップ処理を薦めていますが、液量が50μL以下でLC-MSグレードの蒸留水で作製したPBSならばクリナップ処理なしでも大丈夫です。また、PBSの代わりにLC-MSグレードの蒸留水でエクソソームを懸濁していれば、液量がある程度増えてもクリナップ処理なして対応できます。

有機溶媒で沈殿させる際も、膜成分を界面活性剤で壊してから、濃縮させた方が良いなどあるでしょうか。

実際に検証したわけではないので詳細は分かりませんが、膜成分を界面活性剤で壊しても壊さなくても有機溶媒沈殿の結果はそこまで変わらないと考えております。サンプルクリーナップからのご依頼を受けた時は、TCA沈殿やアセトン沈殿の再溶解が難しいことがありますので、可溶性の高い界面活性剤の入った抽出液を入れて、高出力の超音波破砕機によって念入りに可溶化しております。

「可溶性の高い界面活性剤の入った抽出液を入れて、高出力の超音波破砕機によって念入りに可溶化」とありますが、どのような界面活性剤なのでしょうか。

当受託では0.5-1%程度のドデカン酸ナトリウム(CAS No: 629-25-4)を使用しております。この界面活性剤はSDSと同等レベルの可溶性をもち、比較的トリプシン消化の妨げにもならないので使用しております。ショットガンプロテオーム解析を行わないのであれば、2-4%程度のSDSによる溶解でも問題ないと考えております。

いずれのMSも、Thermo Fisher Scientific 社製 Total Exosome Isolation Reagent (from serum) といった超遠心以外の抽出試薬でサンプル調製しても問題ないでしょうか。

すべての抽出試薬で検討したわけではありませんので問題ないとは申し上げられません。おそらく試薬によってエクソソームの純度にもバラつきがあると考えられますので、Total Exosome Isolation Reagent (from serum)を含め、ご依頼の際にはMS-4(サンプルクリーナップ処理)も合わせてお申し付けいただくことをお勧めいたします。

エクソソームの単離はこちらで行いたいと考えています.今のところ、MagCapture(富士フィルム和光純薬)による単離、または、抗体によるプルダウンを考えていますが、これらで精製したエクソソームのプロテオミクス解析は可能でしょうか(MagCaptureおよびプルダウンに用いた試薬のコンタミは,解析する上で気にしなくて宜しいでしょうか)。

当方では基本的に超遠心により精製したエクソソームを使っており、MagCaptureや抗体のプルダウンによるサンプルはあまり経験がございません。しかしながら、MagCaptureの場合にはトラップされたエクソソームはキレート剤によって回収しますので、回収後にキレート剤を除去すれば解析は可能であるはずです。一方、抗体によるプルダウンでは抗体と結合したエクソソームを外しても抗体蛋白を除去するのは困難ですので、プロテオミクス解析には不適であると考えられます。

エクソソームをトリプシン処理し、表面のタンパク質をshavingしてプロテオミクス解析をすれば、表面抗原が同定できると思いますが、御社でこの手法による解析は可能でしょうか。

トリプシン消化したエクソソームから遊離するペプチドは精製が困難ですので、そのような解析は当方では出来かねます。

MS解析の納期はどれくらいでしょうか。

基本的にはサンプルを受け取ってから、4週間を納期としています。

注文に際し、仕様書を研究施設に提出する必要があります。サンプル受領後の作業内容を箇条書きでお知らせいただけないでしょうか。

1. 受け取ったサンプルから超音波破砕機を用いてタンパク質を抽出
2. BCAアッセイによるタンパク質濃度測定
3. 抽出したタンパク質を還元・アルキル化処理
4. トリプシンを用いてタンパク質を消化
5. C18スピンカラムを用いて脱塩
6. データ非依存的分析(DIA)によるMS測定(使用する質量分析計:Q Exactive HF-X, Thermo Fisher Scientific社)
7. 得られたMS測定結果からScaffold DIA(Proteome Software社)を用いてタンパク質同定ならびに定量の算出
8. Scaffold DIAの解析データをExcelファイルにエクスポートし、データの整備

品番MS-1はMS-2と比較して、蛋白量の少ないものが測定できないという理解でよろしいでしょうか? どちらのオーダーが多いでしょうか?

そのご理解で結構です。オーダー数はMS-2が多いですが、お試し実験であればMS-1から始められてもある程度のデータは得られます。

一覧にない蛋白は全てのサンプルで検出できなかったということでしょうか。

リストになかったタンパク質は検出できなかったということです。

結果の値の単位を教えてください。

MS強度をもとに算出された値で特に単位はありません。

ノーマライズの方法を教えてください。

MS測定で得られる総イオン強度(TIC)でノーマライズしております。タンパク量でノーマライズした感覚に近いです。

定量はペプチドのスペクトルのピーク検出強度だと思いますが、数値としてどのように10の3~7乗程度のオーダーになっていくのでしょうか。

同定されたペプチドのフラグメント(MS2)スペクトルのクロマト面積値の総和がペプチド定量値となり、同定されたタンパク質に対してユニークな配列を持つペプチド定量値の総和がタンパク質定量となっています。Excelで示した定量値はタンパク質定量となっています。

例えば5種のサンプルのうち2種で発現量の上がっている膜タンパクを知りたいといったような場合、何千ものタンパクのデータをエクセルでもらっても自力で解析できないので、どうすればよいでしょうか。

フリーウェア解析用ソフトのScaffold DIAでもご要望のようなセレクションをかける機能はありません(このソフト以外でもニーズにこたえる機能はありません)。多くの方はエクセルを用いて自力でデータ解析されていますが、コントロール・サンプルの定量値でそれぞれのサンプルの定量値を割って、エクセルのフィルター機能を使えばある程度簡単にデータを選択できます。

検出した蛋白をUniprotのKeyword Biological Processのように大きな分類分けをしたいと思っています。Uniprotではひとつづ入力して調べないといけません。どこかのWEBサイトで一覧を入力すればKeyword Biological Processを返してくれるようなツールはご存知ないでしょうか。

DAVID Bioinformatics Resourcesの以下のサイトで解析ができます。
https://david.ncifcrf.gov/

エクソソームの表面抗原を選出したいと考えています.ハカレル社の解析データから、インフォマティクスの情報(膜蛋白質のトポロジー)に基づいて表面抗原を選出することは可能と思われますか。

GOアノテーションでPlasma membraneというカテゴリがありますので、DIAプロテオミクス解析で観測されたタンパク質に対してPlasma membraneのフラグを付けることは可能です。

特定のタンパクの発現量をサンプル間で比較するには、解析結果のエクセル・ファイルに示されている各タンパクの数値について、サンプル間で割り算をすればよいのでしょうか。例えば、サンプルAとBでタンパクXの数値がそれぞれ20と5であれば、タンパクXはサンプルBに比べサンプルAで4倍発現量が多いと考えてよいのでしょうか。

その考えで問題ありません。

数値を比較する場合、差や比を使用してもよろしいでしょうか?。測定値はリニアですか。

同一のタンパク質に対する数値の比較は行えますが、ペプチド断片ごとにイオン化効率が大きく異なるため、異なるタンパク質との数値の比較は基本的はできません。同一のタンパク質内での数値に対しては差や比を使用しても問題ありません。また、同一のタンパク質内の値はリニアとお考え下さい。

蛋白間の比較はできないということでしたが、まったく比較できないのでしょうか。例えば、係数をかけるとある程度比較できるとか、100倍違っていればおそらく違いがあるとかなどがあれば教えてください。

タンパク間を比較するための簡単なノーマライズとして定量値を分子量で割ってください。その値がオーダーレベルで違いがあれば、違いとして考えてもよい思います。

異種の蛋白同士での相対的な定量意義はありますか

ペプチドの種類によってイオン化効率が大きく異なり、異なるタンパク質同士の正確な比較を行うことはできません。ただし、定量値が大きいほど存在量が多い傾向はあることは事実のです。もし、タンパク間の比較を行いたい場合は定量値をタンパク質分子量で割って、ノーマライズすることをお薦めします。それでも参考値程度にお考えください。

3サンプルを比較する場合、どれくらいの差、比の違いがあれば違いがあるといえるのでしょうか。また、測定の誤差の範囲を教えてください。

当受託でのテストでは観測されたタンパク質の90%以上に対して定量値の再現性がCV20%以内に収まっておりますが、測定でばらつきが生じるのも事実で数値が小さいほどばらつきが大きくなる傾向があります。n=1の測定の場合には、ばらつきのあるタンパク質を見出すことができませんが、基本的にはペプチド断片数が2以上で比として2倍以上の差があれば違いがある可能性があると考えられます。

解析結果のProtein Group Score は同定されたタンパク質の確度を示すスコアだと思いますが、確度が保証されるようなカットオフ値(0.9以上など)はありますか。

解析結果としてリストアップしたタンパク質は統計的に問題なく同定されたといえるタンパク質です。特にカットオフ値を設ける必要はございません。

解析結果にはMS データから算出されたタンパク質の定量値が示されていますが、この定量値もまた何らかのカットオフ値がありますか(x10の4乗以上など)。

一般的なプロテオーム解析のデータの取り扱いとしては特にカットオフ値を設けておりませんし、当社で解析している場合もカットオフ値は設けておりません。定量精度を求めるのであれば、ここでカットオフ値を設定するよりかはIdentified Peptide Countでカットオフ値を設定した方が一般的な信頼性は高くなります。

解析結果の Identified Peptide Count はタンパク同定に用いられた ペプチド数に相当すると思いますが、このペプチド数の大小は重要になりますか。

観測ペプチド数が多いと定量に用いたペプチド数も多くなるため、定量性精度が高くなります。ペプチド数が少なくても比較解析に使えるように定量性の高いプロテオーム解析手法を取っていますが、より確実な定量結果を選択したい場合はペプチド数の多いタンパク質に着目することがよいかと思います。

プロテオーム解析の結果、発現量に差がみられた蛋白についてウェスタン解析しましたが、まったく差が見られませんでした。何かコメントなどお願いします。

ウェスタンブロット(WB)とプロテオーム解析結果がマッチしないことは時々起こる現象です。発現量の低いタンパク質に関しては測定値のばらつきも大きくなる傾向があります。比較的発現量の多いタンパク質の場合、プロテオーム解析結果がマッチしなかった理由として考えられるのはプロテオーム解析では酵素によってペプチド断片化して質量分析しており、必ずしも全長のタンパク質を解析しているわけではない点です。もともとのサンプルで断片化や分解されたタンパク質が含まれているとプロテオーム解析結果に影響を与え、全長を見るWBとの結果と相関しないことが起こります。
また、n=1の解析では、対象となっているタンパク質の安定性については分かりませんが、タンパク質の種類によっては処理の日によってばらつくものや保存状態によって大きく減少するものも存在しますので、それが原因でWBとプロテオーム解析結果がマッチしない可能もあると考えられます。
質量分析とWBの乖離についてはサンプル中の断片化されたタンパク質との区別がつかないという問題点はショットガンプロテオーム解析の本質的なところなので、DIAプロテオーム解析でも改善されていません。ただし、従来のプロテオーム解析(DDAプロテオーム解析)よりDIAプロテオーム解析では同定に用いているMS2スペクトルを用いて定量解析を行っているため、間違った定量値を算出することが格段に減少しております。その意味ではWBとの乖離もある程度解消できていると考えております。

TCAでタンパク質を沈殿濃縮後に、エクソソーム画分のプロテオーム解析を行ったとき、CD抗原がほとんど検出されなかったことがあります。同じサンプルをウェスタンブロットした時は(TCA沈殿なし)強いバンドが検出されています。TCA沈殿でエクソソーム等の膜局在タンパク質の濃縮に差があるなどの情報あるでしょうか。

TCA沈殿や有機溶媒沈殿などの場合は再溶解が難しく、タンパク質の種類によってもその再溶解の難しさは変わってきます。ですのでエクソソーム特有の問題ではないと考えられますが、基本的に溶解が難しい膜タンパクの塊であるエクソソームだと再溶解の影響が大きく出た可能性があります。

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エクソソームを用いた
抗体スクリーニング

抗体スクリーニング

これまでGPCRに対する抗体作製が試みられてきましたが、GPCRは細胞での発現量が少ないことや、膜外に露出した部分が少ない構造を持つことから、モノクローナル抗体作製は難易度が高いとされています。
ハカレルはエクソソームを利用することで、GPCR 等の膜タンパク質に結合するモノクローナル抗体を的確に作製することができます。

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これまでGPCRに対する抗体作製が試みられてきましたが、GPCRは細胞での発現量が少ないことや、膜外に露出した部分が少ない構造を持つことから、モノクローナル抗体作製は難易度が高いとされています。ハカレル社はエクソソームを利用することで、GPCR 等の膜タンパク質に結合するモノクローナル抗体を的確に作製することができます。

膜タンパク質に対する抗体産生細胞のスクリーニング例

膜タンパク質に対する抗体産生細胞のスクリーニング例

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