抗原検出用SARS-CoV-2 スパイクタンパク質 ELISAキット
抗原検出用SARS-CoV-2 スパイクタンパク質 ELISAキット
バックグラウンド
2019年に中国で発生した新型コロナウイルス 感染症(Covid-19)によるパンデミックは世界中に広まり、2021年7月末の時点では世界で1億9719万人が感染し、421万人が死亡しています。Covid-19の原因ウイルスとして同定されたSARS-CoV-2は全長約30,000塩基対のRNAを遺伝子として持つコロナウイルスの一種ですが、ウイルスゲノム中のS遺伝子にコードされたスパイクタンパク質はウイルス表面に発現する膜タンパク質です。スパイクタンパク質はS1、S2の二つのドメインから構成されます。
SARS-CoV-2が細胞に感染する際、まず細胞表面のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)にスパイクタンパク質のS1ドメインが結合し、その後ウイルスが細胞内に取り込まれることが明らかとなっており、ACE2はSARS-CoV-2の受容体と考えられています。さらに、スパイクタンパク質についてはS1ドメインの構造解析から、ACE2に結合する狭い領域(受容体結合ドメイン、RBD)が同定されています(1)。
本製品は、スパイクタンパク質S1ドメインのRBDに特異的かつ親和性が高い2種類の中和抗体を用いたサンドイッチELISA法により、サンプル中のSARS-CoV-2 スパイクタンパク質を測定することができます。
SARS-CoV-2が細胞に感染する際、まず細胞表面のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)にスパイクタンパク質のS1ドメインが結合し、その後ウイルスが細胞内に取り込まれることが明らかとなっており、ACE2はSARS-CoV-2の受容体と考えられています。さらに、スパイクタンパク質についてはS1ドメインの構造解析から、ACE2に結合する狭い領域(受容体結合ドメイン、RBD)が同定されています(1)。
本製品は、スパイクタンパク質S1ドメインのRBDに特異的かつ親和性が高い2種類の中和抗体を用いたサンドイッチELISA法により、サンプル中のSARS-CoV-2 スパイクタンパク質を測定することができます。
特長
1.血清、血漿などのサンプル中のSARS-CoV-2 スパイクタンパク質を測定することが可能です。2.特殊な装置は不要で、通常のプレートリーダーがあれば測定できます。
3.SARS-CoV-2 S1ドメインのRBDに対する2種類の抗体を用いたサンドイッチELISA法により、感度よく特異的にSARS-CoV-2 スパイクタンパク質を測定します。
4.このELISAに用いた抗体は、武漢型のほか、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ型すべての変異株ウイルスと強く反応します(2)。
測定例
SARS-Cov-2 スパイクタンパク質(S1, S2ドメイン)を強制発現させたExpi293 の培養上清から超遠心法により精製したエクソソーム(15.625, 31.25, 62.5, 125, 250, 500, 1000ng/mL)をウェルに100µLずつ加え測定しました。エクソソーム濃度(ng/mL)と吸光度(OD450)を グラフに表すと図1のようになります。図1 SARS-Cov-2 スパイクタンパク質(S1, S2ドメイン)を強制発現させたエクソソームの測定
参考文献
(1)Alexandra C. Walls, Young-Jun Park, et al., Cell 180, 1-12 (2020)(2)Chihiro Okada, Etsuko Ikeda-Ishizaka, Chikako Ono et al., Monoclonal Antibodies in Immunodiagnosis and Immunotherapy 41, 173-180 (2022)